時計

2018年11月26日 (月)

エル・プリメロふたたび

 久しぶりに時計を買ってみた。というよりも、ここ数年ずっとくすぶり続けていたことを実行してしまったというしかない。

 腕時計は何本か持っている。最近は若い人たちの間で時計をしないという風潮があったりして、中価格帯の時計がなかなか苦戦しているらしい。アマゾンを見ると、中国製と思われる安価な時計が数多く売られている。機械式の時計も多い。自動巻が2000円くらいで買えるというのはびっくりする。学生の時、スウォッチからオートマチックというシリーズが出て、手の届く自動巻の時計が出たと喜んで大丸まで買いに行ったのを覚えているが、それでも1万円ほどしたと思う。スウォッチのムーブは無論スイス製だったが、今は中国製も良くなっているのかもしれないとも思う。
 
 時計は基本的にはクロノグラフを使っている。ストップウォッチを1日に数回、日常的に使用するので、クロノグラフが便利なのだ。いつもはブライトリングのクロスウインドを使っている。これはもう10年以上前に中古で買ったものだ。17万円くらいだったと思う。1度オーバーホールをしているが、外装が強いのがいい。ほとんど大きな傷もなく、買った時とあまり変わらないである。その前はゼニスのレインボー・フライバックを使っていた。中古を20数万円で購入し、ブライトリングを買う時に手放した。エル・プリメロという名作ムーブメントを使っていたので、どうしてもゼニスが欲しいと思って買ったのだが、これはよく故障した。10年ほど使用したが、多分、修理に15万円以上かかっていると思う。手放した時は買った時とほとんど同じ値段で売れたので喜んだのだが、ここ数年、またエル・プリメロを載せた時計が欲しいと思うようになった。使っているブライトリングのムーブはバルジュー7750ベースで、丈夫で故障も特にないし、ほとんど狂いもないから満足はしているのだが、エル・プリメロというのはやはり何か惹かれるものがあるのだった。それで、前に持っていたレインボー・フライバックを探してみたのだが、ひどく値上がりしていて、40万円ほどするものがほとんどだった。レインボー・フライバックはケースが割にチープな造りで、回転ベゼルが故障したこともあって、それが気になったことを思い出したから、別の時計を探すことにした。
 
 エル・プリメロを搭載した時計は本家ゼニス以外にも結構ある。ゼニスの時計は全く手の届かないような値段になってしまったから、手頃な他社の時計を探してみる。学生の頃は、ロレックスのデイトナがエル・プリメロを改良したムーブを搭載していて、値段が80万円ほどだったのを覚えているが、ちょっと値段を見てみると、小さな家が建つくらいの値段になっていてひどく驚いた。ロレックスは値上がりが凄い。バルジュー7750を使ったチュードルのクロノグラフなんて、ショップで98000円などという値段で売られていたのに、今では全く手の届かない値段になってしまっている。
 
 エル・プリメロを使った時計は、安そうなところではコンコルドやエベルがあるかな、と思ったが、却って稀少なのだろう、ほとんど見かけることがない。数年前にゼニスと同じLVMHグループのタグ・ホイヤーのモンツァのキャリバー36というのがエル・プリメロだというのを知って探したことがあり、その頃は20万円を切るくらいだったからまだそれくらいかな、と思って見てみると、30万円くらいまで値上がりしている。とても買えない。キャリバー36で検索していると、タグ・ホイヤーのリンクにキャリバー36を搭載したモデルがあることが分かって、それが比較的安価だということが分かった。それでも、20万円台前半である。色々なものを手放して購入する予定なので、20万円以上出すこともできそうにない。
 
 そうやって探していると、リンクが10万円台後半で売られているのを見つけた。程度もそこそこ良さそうなので、思い切ってそれを買うことにしたのだった。
 
 届いて、早速時間を合わせてみる。エル・プリメロにはハック機能がないのを忘れていて、一瞬故障かと思ってしまう。また、クロノグラフの12時間針がプッシュボタンを強く押さないと戻らないというのも前に持っていたレインボーと同じだった。ブライトリングと違って、プッシュボタンの操作が柔らかい。以前、レインボーを使っていた時の感触が蘇ってきた。レインボーは裏蓋がシースルーになっていなかったから、中の機械は見えなかったが、今回のリンクは見える。エル・プリメロはこんな機械だったんだな、と改めて思う。
 
 このリンクは、多分、日常使いにはしないと思う。日常使いにはブライトリングの方が視認性もいいし、何より傷が付かない上に時間が正確だからだ。でも、別の時計が手元にあるというのは何となくいいように思う。時々は、出して使うことになるだろう。若かった頃の、手元の感触が機械式の時計にはあることが、分かった。
 
20181126
 
Nikon Coolpix S9400

2015年5月19日 (火)

ハミルトンの時計

 ハミルトンの時計はもう買わないと決めていたのだが、つい買ってしまった。数年前、暇つぶしのために滅多に買わない時計の雑誌を購入して見ていると、ハミルトンのカーキ・コンサベーション・オート・クロノというモデルの紹介記事があったのだった。ハリソン・フォードとのコラボモデルとかいうことだった。私は渥美清のファンでハリソン・フォードのファンでも何でもないから、そのコラボには興味がなかったが、デザインとムーブメントとその大きさがちょうどいいように思われたのだった。

 ハミルトンの時計を以前もいくつか持っていた。カーキ・タキマイラーは長く使ったし、X-Windも使っていた。カーキ・ネイビー・フロッグマンはそのデザインが好きで結構長く使っていたが、そのフロッグマンがクロノグラフのリセットボタンを押した瞬間に時計のクロノグラフ関係の全ての針が外れてしまった。修理に出してしばらく使っていたが、クロノグラフを使うとまた文字盤の上で針がばらばらになるのではないかという気持ちもあって、結局手放してしまった。それから、ハミルトンの時計は買っていない。

 雑誌に出ていたこのコンサベーションはまず、大きさが42mm径ということだった。40mmから42mmまでの時計が私にはちょうど良いサイズだ。いつも使っているブライトリングは42mm径だし、アスカニアのクロノグラフは40mm径である。それより小さいと何となく物足りないし、44mm径という大きなものになると、今度は腕で収まりが悪い。自分にとっての大きさの限界は42mmだと思う。また、ムーブメントがH31という名前のバルジュー7750を改良してパワーリザーブを60時間にまで延長したものが使われているということだった。

 実はこの時計の存在を忘れていたのだ。時計でも久しぶりに見ようかなあ、と思いつつ機械式クロノグラフの新品で、最も安いものは何だろう、と探してると、これを見つけたのだった。定価は17万円ほどなのだが、それよりもずっと安価だった。ディスコンになっているのかな、と思ったりもしたのだが、ディスコンになろうがどうしようが、安価で良い時計というのはそれがいい。注文して、今日届いたのだった。

思った通り、ちょうどいい。クロノグラフはよく使う機能なので、それがねじ込み式のロックになっていないのもいい。大きさもちょうどで、横二つ目のデザインも好感が持てるものだ。それからちょっと思ったのは、数年前にハミルトンを買った時よりも品質が上がっているような気がするのだった。以前はケースの切削の後処理を雑だと思ったりしたのだが、今回は丁寧に作られているような気がする。長くハミルトンの時計を使っていなかったから、気のせいかもしれない。

 これから夏になって、革ベルトはちょっと困るのだが、しばらく使ってみようとは思う。往事の航空時計を思わせるようなデザインは、実に美しいと思うのだ。

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2015年1月17日 (土)

スイスの時計

 スイスフランが暴騰しているらしい。私は経済の専家ではないのでよく分からないが、為替の変動上限を撤廃したのが原因らしい。

 スイスという国は、新婚旅行で行ったきりだ。チューリッヒ空港からスイスを回り、バスでイタリアへ抜けた。アルプス越えの山道で、ずっと山々を眺めながら日本とは全く違う光景なのだなと思ったくらいであった。

 スイスと言えば、私にとっては私の使ういくつかの時計の生産国である。小さい頃、よくテレビ番組などで「スイス製高級時計テクノスをお贈りします」などと番組のプレゼントになっていたことで、スイス製の時計というのは高いものだ、ということを知った。けれど、小さい頃には時計なとに興味を持ったりしていなかったし、第一、時計などというものをする必然性がなかったから、そんな思い出はどこかに仕舞い込まれていた。

 初めて買ってもらった時計は、一体、どこのものだったのだろう。中学生になってすぐくらいだっただろうか、父親がある日、時計を買ってやろうと言って、駅前のディスカウントショップで待ち合わせをすることになった。ダイエー系列のトポスとかいうディスカウントショップで、当時は何でも定価販売が主だったから、いろいろなものが安くてこんな店があるのか、と思った覚えがある。今ではディスカウントショップというのが当たり前で、定価販売で買うことも少ないが、靴でも、時計でも、服でも、ほとんど定価で買うことが当たり前だった。

 ディスカウントショップの時計売り場に行き、どれがいいか、と言われて時計の棚を見て、金色で、金属ベルトの長方形のアナログ時計を買うことにした。どこのメーカーのものなのか覚えていないが、中学、高校の6年間と、それから大学に入って2年間はその時計をずっと使った。電池も何度か替えたと思う。大学に入学して、電池が切れたので大学の近くの時計屋に行くと、かなりの老人が出てきて、震えるような手で裏蓋を開け、バッテリーを交換してくれたのを今でも覚えている。その店の時計は、ほとんど埃を被っていた。その頃は、ホームセンターなどでも安く時計を買うことが出来るようになっていたと思う。何度か時計を買い換えたいと思いつつ、それでもずっと使っているのがいいから、と思って中学一年生の時に買って貰った金色のあちこちすり減ってしまった時計を使い続けていた。

 ある日、アルバイト先のシャッターを閉めていて、シャッターが勢いよく閉まりすぎ、自分の腕に当たってしまったことがあった。見ると、時計のガラスが割れ、中の針もぐしゃぐしゃになっていた。ああ、もう使えないな、と思った。アルバイトをしていたので、時計を買うくらいの余裕はあった。それで、新しい時計を買うことにしたのだった。

 折角買うのだから、ましな時計を買いたい。そう思って本屋に行って時計の雑誌を買った。ところが、ひどく高価なのである。時計の世界というのは、こんなに奥が深いものなのか、と思った。それでも、今思うと、ロレックスなどもまだ社会人くらいなら手が届くほどであっただろうと思う。近所の時計店に、チュードルのクロノグラフの綺麗な中古が10万円を切る値段で出ていて、それを欲しいと思いながら1週間ほど悩んだが、それを買うと1ヶ月生活できなくなってしまうから止めた。今、チュードルのその同じ型のクロノグラフは数十万円という値段になってしまっている。ちょっと異常な気もする。

 結局、福岡の天神にある、雑居ビルの一角の時計屋で、エルジンのクォーツの赤文字盤のクロノグラフを買った。雑誌で見かけてそれが安価で格好良く思えて、それをずっと探していたらそこにあったのだ。確か4万円ほどしたと思う。定価に近かった。今ではもっとずっと安価に手に入るのではないかとも思う。

 エルジンのその時計は、何年か使っていたが、何かの拍子にプッシュボタンが外れてしまった。そして、電池も1年に1度くらいの割合で切れた。それでまた、2年ほどして買い換えることにしたのだが、ちょうどスウォッチがブームになっている頃で、それを買った。そのチープさが気に入って、いくつか買い、使い回したりしていたが、思うと、それがスイス製の腕時計を使うようになった初めだと思う。

 時計の雑誌を見ると、掲載されている時計のほとんどがスイス製である。たまにセイコーやシチズン、カシオといった国産のものや、ドイツ製のものも掲載されていることもあるのだが、大抵はスイス製で、高級時計というのはやはりスイスのものなのだな、と思ったりもする。高価なものが良いというわけでもなく、比較的低価格でも優れた時計もあるし、高価でも作りの悪い時計もある。雑誌などの写真では良いように見えても、実際に手にとってみると作りが悪いということも今まで何度かあった。その逆の場合もあるが、そういう時計だけが今、手元に残っている。

 スイスフランの暴騰によって、時計が値上がりしていくのだろうか、と思ったりもするが、よくわからない。廉価でよく作り込まれた時計が、自分から遠いところに行くのはちょっと困るな、と思ったりもするのだった。

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Panasonic DMC-GM1 w/Lumix G Vario 12-32mm F3.5-5.6 O.I.S.

2014年12月 9日 (火)

ウォッチ ワインダー

 ここ1ヶ月ほどブライトリングをずっと使い続けていたので、たまには別の時計を、と思って部屋の隅に置いてあるウォッチワインダーの扉を開けた。あれ、と思った。2個の時計がそこに入っているのだが、どちらも止まっているのだ。以前、オメガの時計が、ワインダーに入れた状態で壊れていたことがあったので、故障か、と思った。けれど、時計が同時に2個とも故障するというのはどうもおかしい。それで、ワインダーのスイッチを触ったりしてみたのだが、どうも動かない。ワインダーが一週間ほど前から壊れていたようだ。

 時計を数個持っていて、それを時々気分によってローテーションしながら使っているので、ワインダーがないと困る。朝の忙しい時に、時間を合わせるのはちょっと厳しい。とりあえずワインダーの修理ができないかとワインダーを分解してみた。チップがあるところは触っても分からないので、配線を適当に変えてみたりしていると、2個あるうちの片方は動き出した。でも、1個だけ動いても仕方がない。それで結局、昨日仕事から帰ってきて、買おうと思ったのだった。通販サイトを見てみると、2個巻き上げられるものの安いもので6000円くらいだった。3980円というのも見つけたが、あいにく在庫切れだった。今使っているものは確か10年近く前に買ったものなのだが、確か8000円ほどだっただろうと思う。単純な構造の機械だから、もっと安くてもいいような気もするが、高いのにはそれなりの理由があるのだろう。値段だけ見て、どこか近くの店に売っていないかなあ、と思う。ホームセンターなどでこんなものを売っているのを見かけたこともないし、駅前の時計屋にもないだろう。あっても高価に違いない。それで結局、車で20分くらいのところにあるドンキホーテに行くことにした。あそこなら機械式の時計を売っているのを見たこともあるし、きっとワインダーも置いているだろう、と思ったのだった。

 行くと、時計コーナーのガラスケースの下に無造作に積まれていた。2本巻きのもので、6500円だった。外税なので7000円ほどにはなるのだが、通販サイトで買ったとしても送料がかかってこれくらいになる。それで、これを買って帰ることにした。今使っているプラスチックの安っぽいものとは違い、なかなかに高級感がある。ただし、2本を一度にセットするタイプのもので、別々には巻き上げられない。まあいいか、と思いながらコードを刺した。以前使っていたものも、1個は使えるので、そのまま使うことにした。

 自動巻の時計を使い始めてからもうかれこれ20年近くになる。重かったり、壊れたり、オーバーホールが必要だったりと手間がかかるのだが、機械式の時計の良さというのは使ってみないとわからない。機械式の時計は、人の作った機械という感じがする。決して機械が作った機械ではなく、人が丁寧に作った、そんな感覚が好きだ。最近書いている万年筆もそうなのだが、高くても、丁寧に人の手がかかわっているものは、魅力的だ。モノというのは、人間が使うから、その体温が感じられるものがいい。

 ワインダーは静かに動いている。

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Fujifilm X-E2 w/EBC Fujinon XF 35mm F1.4

2014年10月 8日 (水)

セイコー プレサージュ

 セイコーのプレサージュという時計を一ヶ月ほど前に買った。定価が4万円ほどの時計なのだが、自動巻のものである。セイコーの自動巻で、廉価なものといえば、セイコー5が有名で、学生の頃はそれをずっと使っていた時期もある。ほとんどが1万円以下で、作りも良くて、自動巻で、と言うことのない時計であった。

 私は、3針の時計を持っていなかった。クォーツの時計もフレデリック・コンスタントのものを1本だけ持っているけれど、これも多針の時計で、長らく電池が切れたままになってしまっている。何か、改まった場にクロノグラフを着けて出るというのも少し気が引けたので、1本だけ、そういう場のために3針モデルが欲しいと思っていたのだった。

 3針モデルはいろいろと種類が出ていて、良い物も多い。スイス製のものは、大抵がエタかセリタの汎用ムーブメントを使っている。それでいて、名前のあるメーカーのものはそれなりの値段となっている。かといって、3針モデルで、自社ムーブを使ったものは非常に高価だ。高価な上に、修理をするときにその辺りの時計屋に修理に出せない。汎用ムーブならば部品も融通がきくだろうが、自社ムーブなら部品が正規店以外で手に入らないということもあるだろう。それで、どうしようかと思っていたのだった。

 最初は、シチズンの系列だと言われているミヨタのムーブを使った自動巻の安価な時計を買おうかと思っていた。次に、オリエントを考えてみた。オリエントは魅力的な時計をいくつか出している。オリエントのムーブはかなりの年月、作り続けられていて、機械の性能も安定しているし、以前はレトロ・フューチャーのカメラやバイクを持っていたりして、その作りの良さも実感していたから、オリエントにしようかなとも思った。けれど、目的は何らかの改まった場で使うための時計である。それで、「不可」ということがない時計、誰が見ても気にしないが、それでも自分自身が満足することのできる時計、ということを考えると、セイコーということになった。グランドセイコーを買えばいいのだろうが、グランドセイコーは身の丈に合わない。それで、最も安く、セイコー5でない時計、ということを考えたらプレサージュ、ということになったのだった。

 しかしこの時計は、非常によく作られている。外装の仕上げも、20万円くらいのスイス製の時計に見劣りしないと思う。ムーブメントがどうのこうのという、マニアックなことはわからないが、パワーリザーブが48時間と、短いことを除けば、インデックスの植字も美しいし、針の仕上げも綺麗で、4万円という値段で売られているのが本当だろうか、というような仕上がりである。日本製で、カレンダーの曜日が、英語だけではなく、「月」「火」というように、漢字を選べるのも嬉しいと思う。

 その薄さとか、着け心地の良さから、最近は改まった場だけではなく、普段の仕事でもこのセイコーを着けていくことが多くなった。クロノグラフを使いたい場面が1日に数回あるのだが、その時以外は時計の存在を忘れていられる。クロノグラフは重いのだ。パソコンを使う時など、パソコンの左手が当たるところにがちがちとブレスが当たり、パソコンが傷だらけになるが、セイコーならそれも少ない。

 スイス製の時計というのは確かに魅力だし、私も何本か持っているけれど、低価格の国産の自動巻というのは侮れないと思う。色違いで、もう1本欲しいくらいである。

20141008

Ricoh GR w/GR lens 18.3mm F2.8

2013年12月 2日 (月)

時計が壊れた

 時計が壊れた。半年ほど前に持っていた時計をいくつか手放して、オメガのシーマスターのクロノグラフを新品で買った。コーアクシャルの時計が欲しいとずっと前から思っていたのだが、半額以下、6割引程度ので出ていたので、買ったのだった。時々、使ったりしていたのだが、1ヶ月で誤差が+5秒とか、圧倒的な精度で驚いていた。1日の誤差はほとんどなく、機械式の時計でこれほどまでの精度が出るものなのだ、と驚きながら使っていたのだった。

 ところが、先月くらいから調子が悪くなった。時計は3本持っていて、それを交互に着けるということをしているのだが、2日ほど着けなければ自動巻の時計は止まってしまう。アスカニアのテンペルホーフは夏場は革ベルトなので使わないで防湿庫に眠っていることがおおく、また、この前までブライトリングのクロスウィンドはオーバーホールに出していたので、ずっとこのオメガを使っていたのだった。それで、ブライトリングがオーバーホールから返却されてきて、非常に精度が良くなっていたので、それを主に使うようになり、オメガはワインディングマシーンに収納したままになっていたのだった。

 それを、1週間ぶりくらいに出してきた。先週から手首が痛くて、湿布を貼っていたので、革ベルトのアスカニアをずっと使っていたのだが、手首の痛みがだいぶ引いたので、月曜日は軽めのオメガを着けていこう、と思ったのだった。11月は30日までなので、カレンダーを1日ずらさなければならないし、ついでに時刻もきちんと合わせておこうと思ったのだった。

 ワインディングマシーンから取り出して、机の前に座り、竜頭を回そうとして、時計が止まっていることに気付いた。カレンダーは25日になっていたから、数日前に止まったことが分かる。前にも同様のことが1度だけあったのだが、その時は竜頭を引いて時間を合わせて元に戻すと何ごともなかったかのように動き始めた。それで、今回もそうなのだろうと思って竜頭を引っ張り出して、時刻を合わせ、元に戻したのだが、動かない。ほんの3秒ほどだけ動いて、それで止まってしまう。多分、何か、歯車の間に挟まるか何かしているような動きだった。

 自然故障である。もう20年ほども機械式の時計を使い続けているので、故障は何度も経験している。機械式時計は、長く使うことができて、結果、コストも安いとかいうのをどこかで読んだことがあるが、コストを考えるならGショックが一番だと思う。あるいは、その辺りに売っている安いクォーツの腕時計を買って、電池が切れたらまた新しいものを買う、というのが安く上がる。特にクロノグラフは故障した後が厄介で、最初に使っていたブライトリングは、台所の床に落としてしまい、おかしくなったのでブライトリングに修理に出すと、修理代が10万円ほどもした。中古で98,000円で買ったぼろぼろのブライトリングだったが、修理から戻ってきたら見違えるように綺麗になっていた。ただ、その数年後にブライトリングはまた故障し、ゼニスのレインボーフライバックに買い換えたのだった。ゼニスはよく故障した。故障箇所は必ずカレンダー送りのヨークバネで、それが折れてカレンダーがちゃんと送れなくなってしまうのだった。中古で買ったセイコーのブライツ・フェニックスも動かなくなってしまい、修理を頼んだことがある。結局のところ、バルジュー7750が一番故障しにくいのではないかと思ったりもする。いずれにしても、機械式のクロノグラフは、機能が複雑で、そして複雑な分壊れやすく、しかも修理の料金が高い、ということになってしまう。

 しかし、解せないのは、ワインディングマシーンの中で3日ほど動いて、そしてその後に止まっていることだ。1週間ほどワインディングマシーンは触っていないから、なぜ故障したのかよく分からない。一緒に入れていたブライトリングはちゃんと正確に、動いていた。

 いずれにしても、保証期間内だから、多分きちんと治って返ってくるだろうと思う。先日、ブライトリングが修理から返ってきた時も思ったが、修理をし続けると妙にその時計に愛着が沸いてくる。家電やカメラでも、修理、という言葉はめっきり聞かなくなったが、修理というのは本当は大事な行為なのではないかとも思うのだ。修理して、愛着をもって長く使うことができれば、コストパフォーマンスは絶対的に、高いのだ。

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Nikon D3200 w/SIGMA 17-70mm F2.8-4 C

2013年9月13日 (金)

オーバーホール

 ずっと使ってきたブライトリングのクロスウインドの時間の遅れがひどくなってきた。1日に1分は遅れる。買った時は大して遅れたりしなかったのだけれど、ここ半年ほど、遅れが酷くなっている。そろそろオーバーホールの時期なのだろうと思う。何せ、5年前に買ってから、一度もオーバーホールをしていない。

 時計のオーバーホールは欠かせないものだ。長く使おうと思ったら、きちんとオーバーホールするに越したことはない。それも、致命的な故障をする前にオーバーホールに出した方が、機械に対してのダメージは少ないようだ。

 仕事に就いてから、15年ほど毎日、愛用していたゼニスのレインボー・フライバックはよく壊れた。名作ムーブメントと言われるエル・プリメロが壊れるというのではない。壊れる箇所はいつも同じだった。カレンダーを送るためのヨークバネだ。2年に1度くらいの割合で折れ、いつもカレンダーがきちんと変わらなくなった。エル・プリメロは36000振動で、精度が良いというように聞いていたが、汎用品のバルジュー7750とほとんど変わらなかった。1日に1分弱は遅れる。エル・プリメロはオーバーホールをきちんとして、使い続けていきたいと思っていたので、2年から3年に1度はきちんとオーバーホールしていた。というよりも、そのくらいの頻度でヨークバネが折れていたから、その時についでにオーバーホールをしてもらうという感じだった。多分、15年の間に5回から6回はオーバーホールに出していただろう。オーバーホール代だけで、中古のゼニスが買えそうなくらいだった。そうやって大事に使い続けていたけれど、結局のところはもう少し故障の少ない時計に、と思って手放し、セイコーのブライツ・フェニックスに買い換えた。セイコーにしたのには意味があって、やはり壊れないのは国産かな、と思ったからだった。

 だが、セイコーもクロノ針が針飛びを起こしやすかった。クロノ針のトルクの調整が難しいらしい。何度か修理に出すと、いつもトルク調整のようなことが書かれた伝票が来た。それに加えて、ブライツ・フェニックスはどうもデザインが好きになれなかった。それで、それも手放したのだった。

 結局、今、私の手元に残っている時計で、ずっと使い続けているのは、Gショックなどのクォーツの時計を除けば、このブライトリングになってしまうのだった。これは、中古でかなり安く手に入れたものだったけれど、しっかりした作りで結構気に入っている。だが、これだけよく遅れるとなると、ちょっとオーバーホールの必要性が出てきたと感じる。

 カメラも、機械式のものを使っていた頃は、オーバーホールが必要だった。時計のように3年とか、5年とかいう短い周期でのオーバーホールは必要なかったけれど、それでも中古でカメラを買うと、具合が悪いところがあったりして、オーバーホールに出して使うということが多かった。ライカなどは古いものが多かったから、中古を買うとオーバーホールに出していたりした。ニコンのFやF2にしてもそうだ。きちんとオーバーホールして使う、というのが当たり前だった。

 オーバーホールをすると、時計にしても、カメラにしても、新たなきもちで使えることが多いと感じる。車を洗うと、その車に愛着が沸くように、カメラや時計を修理に出して、きちんと直して貰って使うというのは、新たにカメラや時計を買うというのとは別の気持ちの切り替えがあると思う。

 中古で買ったブライトリングは、メーカーでオーバーホールして貰うとやたらと高い。どこか、腕の良い店を探して、そこでオーバーホールして貰おうと思っている。中身は、基本的にはバルジュー7750だから、してくれそうな店も多いだろうとは思う。そうやって、また、これからも使い続けたい。

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Nikon D7000 w/Tamron 18-270mm F3.5-6.3 PZD

2013年6月 8日 (土)

ブライツを手放す

 夏場になって、時計のブレスが気になってきた。革ベルトを付けていたアスカニアのクロノグラフは、去年買ったメッシュブレスに交換した。バンドームという、ネットで3000円ほどで売っている自動巻の時計に元々付いていたメッシュブレスを取り外し、時計本体は新品だったから、適当なベルトを付けて子どもの学校のバサーに出した。20ミリ幅のメッシュベルトは単体で買うと5000円ほどするから、時計本体を買った方が得というものだ。パックルの部分にメーカーの名前が薄く彫られているが、あまり気にならない。時計は作りが悪かったが、ブレスは普通の作りで、しっかりと使えるものであった。革ベルトは、夏場は汗で手首にぴったりとくっついてしまうので、こうやって交換して使っている。

 冬場と夏場では、ほんの少しだけれど、ブレスの長さを変えている。革ベルトで、穴一つ分くらいだろうか。ブライトリングのクロスウインドはバックルの部分で長さを少しだけ調節できるようになっているので、重宝しているのだが、もう一本のセイコーのブライツ・フェニックスのクロノグラフは、コマを足さなければ長さの調節ができないので面倒である。冬場はぴったりだったブレスが、夏場になると汗の影響だろうと思うが、手首にはり付いてかなり窮屈に感じる。

 セイコーの箱を出してきて、コマを一つだけ足せば済むことなのだけれど、あまり気に入っていなかったこともあって、先日、手放してしまった。セイコーのクロノグラフの中古は、私が購入した2年ほど前よりも全体的に値段が下がってきているようで、私が買ったものは中古で15万ほどで、それでも十分に安いと思えるくらいの値段だったのだけれど、手放すと9万円そこそこにしかならなかった。あまり使っておらず、セイコーでオーバーホールをしたりしてメンテナンスもきちんとしていただけに、ちょっと残念に感じた。セイコーの代わりを何か買おうと思うのだが、9万円そこそこで買える自動巻のクロノというのはあまり見かけない。ハミルトンの中古くらいである。

 折角買うならば、ムーブメントが違う時計を買いたいと思う。いつも使っているアスカニアもブライトリングも、バルジュー7750で、もう一本持っているジャンリシャールの時計はムーブが不明である。クロノの名作と言われるゼニスのエル・プリメロは、レインボー・フライバックをぼろぼろになるまで、十数年使い続けていたが、カレンダーのヨークバネが1年に1度くらいの頻度で折れて修理に出さなければならないという繰り返しだったので、買う気がしない。クロノのムーブメントはロンジンや、ハミルトンや、ティソといったSMHグループで比較的廉価なものがオリジナルで出ているから、ちょっと興味があったりする。ロンジンに使われているバルグランジュというムーブメントのものをとも思ったりするが、ロンジンは以前持っていたが、あまり作り込みがよくないという印象があって、二の足を踏む。ハミルトンはクロノグラフのリセットをした途端に時計の針が何本か脱落して文字盤の上に落ちるという笑い話のような故障を経験して、買う気がしない。ティソは使ったことがないので、よく分からない。

 そうやって考えてみると、どう考えても作りとか、精度とか、総合的に良いと思うのはセイコーなのだった。結局、手放さなければ良かったと後悔した。

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Nikon D7000 w/Tamron 18-270mm F3.5-6.3 PZD

2012年9月28日 (金)

カメラと時計

 涼しくなってきたので、金属ベルトの時計から、革ベルトの時計へと変えてみた。夏場に革ベルトの時計をずっとしていると、革ベルトに汗がしみこんで、嫌な臭いがするようになる。それが嫌で、革ベルトの時計は、金属ベルトかラバーベルトに夏の間は交換している。

 でも、結局のところ、革ベルトを金属ベルトに交換したのは、アスカニアのクロノグラフくらいで、これも安い値段で買った時計からメッシュの金属ベルトを取り外し、アスカニアに付け替えたものだった。とりあえずアスカニアは、元の革ベルトに交換した。メッシュベルトは機能的だったが、腕にしっくりなじむのは、やはり革ベルトだと思った。

 今、時計は何本か持っている。全部、中古で、かなり安い値段で買ったものだ。なるべく作りのよいものを安く、と思うので、時計が欲しくなったらかなり調べてから買うようにしている。作りが良い時計というのは実は、そんなにないように思う。ライカとか、ニコンの古い一眼レフのようなソリッド感があって、作りの良さが腕に取り付けている時もしっかりと感じられる時計しか買いたくない。ロレックスやオメガは、条件にきちんと合う。ロレックスも、オメガもすばらしい、文句のない作りである。特にオメガの中古は、コストパフォーマンスが高いと感じる。新品のオメガは高価なのであまり思わないが、中古のスピードマスターなどは、十分に魅力的だと感じる。だが、私はへそ曲がりなので、オメガは今は持っていない。ロレックスはどちらかと言うと、嫌いな部類の時計なので、持っていない。嫌いと言うよりも、「欲しいモデルは高すぎて買えない」という表現が正しいだろう。

 それで、アスカニアなのだ。アスカニアの時計は、作りがとても良い。もう一本欲しいくらいだ。それから、ブライトリング。学生の頃に、アルバイトの給料をはたいて買ったナビタイマー・アヴィ以来、ブライトリングを使っている。ブライトリングは、ある時期まではソリッド感が薄かったが、2000年前後から作りが格段に良くなったように感じる。ブライトリングの中でも、人気のないモデルのクロスウインドの最初のモデルを使っているが、42ミリ径のちょうど良い大きさで、精度も良く、そしてケースのステンレスの質が非常に良いため、満足して使っている。クロスウインドは中古になると、クロノマットと比較しても安い。私は傷だらけの中古を買ったが、傷だらけでも美しい時計だ。

 いつもデジタルカメラばかりを使っていると、時計のようなソリッドな機械の魅力は非常に大きいと感じる。デジタルカメラは、いくら金属で外装が整えられていても、中身はプラスチックであることを感じずにはいられない。金属で挟まれたもなかのような気がする。

 カメラが好きな人は、時計が好きな人が多いという話をどこかで見たことがあるが、その気持ちはよくわかる。カメラがものとしての存在感を失っているから、今、機械式の時計を見てほっとするのかもしれない。

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Olympus E-P1 w/M.Zuiko Digital 9-18mm F4-5.6

 

2012年6月22日 (金)

リコー マキシム

 時々、国産の時計が良いと思う時がある。カメラもそうだが、国産の時計には良い物があって、しかもよく探せば海外製品よりもずっと安い値段で売っていることがある。

 国産の時計と言えばセイコー、シチズン、オリエントといったところが有名で、セイコーの時計は今もブライツの自動巻クロノグラフを一本、持っている。グランドセイコーといきたいところだが、まだグランドセイコーが合うという年齢でもないように思う。車で、クラウンに乗っても嫌みがない年齢があるように、グランドセイコーが手首にあって嫌みのない年齢になった頃、グランドセイコーを買うのだろうと思う。

 シチズンは海外輸出用の自動巻の時計を質屋で安く買って、学生時代に使っていたことがあるし、オリエントはレトロ・フューチャーシリーズが気に入って、よく使っていた時期があった。国産の時計は、スイス製と比べるとその値段の何倍もの価値があると感じる。作りがとても緻密で、丁寧なのだ。オリエントにしても、セイコーにしても、その丁寧な作りは下手なスイス製の時計は遠く及ばない。しかも、ランニングコストが安い。日本に住んでいて、日本の中でずっとサービスを受け続けるのであれば、セイコーやシチズンの時計は最高だと言ってもいいだろう。

 けれど、私はへそ曲がりなので、時々、それ以外の国産の時計が欲しいと思う。カシオ、とか言うのではない。Gショックは2本持っているが、これはスポーツをする時に使う時計で、カシオは機械式の時計を作っていないから、時計を嵌めた左腕を眺めて、いいなぁ、と思うこともない。機械式の時計で、国産で、となると他にもいくつかのメーカーがあるようだが、私はリコーの時計を一本、持っている。

 リコーが今でも時計を作っているのかどうかは定かではないし、タカノというリコーの時計部門の前身メーカーのこともあまり知らない。リコーと言えば、私にとってはリコーフレックス・ニューダイヤという非常によく写る二眼レフであり、また、GR1という銀塩コンパクト機で2番目に好きな(1番好きなのはコンタックスT3だ)カメラのメーカーである。リコーと言えば、カメラメーカーというイメージしかない。

 学生の時、M君という後輩がいて、M君の父親はリコーに勤めていたらしく、私がR1というリコーのカメラをずっと使っているのを見て、嬉しそうにしていた。M君は、就職してしばらくして、GR1を買ったとか言って、私に見せてくれたことを覚えている。もう、長い間M君とも会っていない。

 リコーの腕時計は、今、私の手元に1本だけある。リコーマキシムというシンプルな時計だ。ロービートらしく、運針はスムーズではないが、なかなかに正確な時計である。素性はよくわからないし、リコーの時計がどのようなものであるかということもよく知らないが、国産の本当によく出来た時計だとは思う。飾らないところがいい。オメガや、ロレックスの同時代のものに比肩するのではないかと思ったりもする。

 国産の時計を腕にしていると、飾らなくていい。スイス製のメカメカしいクロノグラフは非常に好きだが、それと同じくらい、リコーのマキシムは気に入っている。飾らない、シンプルな時計は、決して飽きないものだ。

20120622

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